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とらいあんぐるハート2〜さざなみ女子寮〜(JANIS/ivory)

1997年、Leafスタッフが今までの恋愛ゲームの総決算という主旨で作られた「To Heart」は、御存知の通り大ブレイク。コンシューマ移植は勿論、ついにエロゲ初のTVアニメ進出まで成し遂げたほどの大ヒットを飛ばしました。

この業界、「一つ当たればその後に続け」とばかりにパクリゲーがわんさと出るの は御周知の通りですが、上辺だけなぞったパクリゲーなんぞ、オリジナルを越える所か


        ∧ ∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〜′  ̄ ̄( ゚Д゚)<  パクリゲー逝ってよし!
  UU ̄ ̄ U U  \_____________


こんな風にギコ猫から言われて駄作の烙印を押されるのが精一杯です。

その主旨とは裏腹に膨大なエロゲ・ギャルゲの手本となっていくTo Heartですが、その中で、To Heartの萌え要素のみを抽出・特化させて一定の成功を収めたゲームこそが、「とらいあんぐるハート(1)」(以下「1」)、これはその続編に当たります。

「このゲームを一言で表せ」と問われたら、私ならこう答えます。


「マジかったるいッス」


基本的にこのゲーム、目当ての女をストークしていくだけで好感度が上がり、勝手にハッピーエンドまで辿りつけるという自転車に補助輪がついているかの如く簡単なシステムなんですが、その為の移動システムがえらい事に。

さざなみ寮のMAPには女の子がいることを示すハートマークがあって、そこにマウスポインタを合わせればその子のフェイスマークが表示されるんですが、そのハートマークが蟻んこみたいに小さいんです。
ちまちまそれを繰り返した挙句に目当ての女がいない場合、2Fへ移動する事になるんですが、その「2F」のアイコンも例の罪深いハートマークと同じ大きさなんですよ。そこにもいない場合の「終了」ボタンも小さくて・・・ 怒るでしかしっ!!(横山やすし口調で)

なお、キーボードの矢印キーとスペースで代用できるのですが、リターンキーではなく、スペースが決定なので結局片手プレイも出来ず、お世辞にも使いやすいとは言えません。

ちなみにゲーム内の期間は、
第一部 3/24〜4/4
第二部 4/5〜正月頃
第三部 年明け〜数ヶ月からキャラによっては数年後

という、一年以上にわたる長丁場。その中で頻繁にこの移動を余儀なくされる上に、第一部は毎日4、5回は移動があるという常にストレスを強いられる展開、無抵抗主義のガンジーさんでさえ口から泡拭いて殴りかかってきそうな罪深い仕様に仕上がっております。

さて、主人公が女子寮の管理人になってモテまくるという舞台設定のこのゲーム、どこかで聞いた事があると思いきや、思いっきりラブひな入ってます。キャラクターのコンパチ度は高く、メインヒロインこそさすがにボカしているものの真剣を振りまわす薫は素子ですし、真雪さんはそのまんまキツネとキャラ被ってます。そして前管理人の神奈(CG無し)ははるかさん、美緒パパは瀬田さんにクリソツ(CGあり)という具合に、

脇キャラになればなるほど「ラブひな」との互換性が高まっていく

という講談社的に目くじら立てそうな内容、一体どうなんでしょうね。「痕」の盗作問題では5年間という時間差でメーカーにツッコんだ実績があるだけに、今後も安心はできませんよね、ええ。

しかしながらキャラクターに関しては、「ラブひな」のぶっ飛び度よりも1歩先へ進めたビビッドな内容になっていて、攻略対象は普通の人間から人類なのか微妙なヤツ、完全にヒトじゃないヤツまで多種多様です。
一人でグランドピアノを持ち上げる怪力少女はまあギリギリでセーフとしても、天然の猫耳娘や天使の羽の生えたヤツは完全にダウト。実際にいたら興味が沸くどころか解剖の対象になる事間違いナシですが、ここの人達はいたって平然。新しく引っ越してきた住人たちにカミングアウトするシーンがあるのですが、「美緒ちゃんの猫耳は可愛いし、知佳ちゃんの羽は綺麗や」とまったく疑問を抱く素振りすら見せない無関心さ、現代の若者の世相を反映しているかのようです。

そして極めつけのヒロインは「」!・・・「けん」「つるぎ」「Sword」の事ですよ、ええ。もう人間とか人間じゃないという段階をはるかに超越して、「有機物か無機物か」というレベルにまで達してしまったエロゲにおける恋愛模様、もはや行き付くところまで行き付いた感がありますね。
まわりの住人まで「十六夜(剣の名前)もひとつの心なんだし・・・」とまったく疑問をもたずに祝福してくれるのを見るにつれ、もう、何が正しくて何が間違ってるのかわかんないよっ!

こんな感じに濃い味付けのされたキャラクター達ですが、彼女等に与えられたシナリオはまるで簡素そのもの。私、1ヶ月前にクリアしたばかりなのに大半のストーリーはすでに思い出せません(^^;・・・駄目じゃん。

これはもう結局、前述の長丁場なプレイ時間と関係してくるんですが、その頻繁なエンカウントの中で語られるエピソードが、やれ「好きな食べ物はなんとか」とか「部活でレギュラー取った」だのといったマウスクリック五回くらいで終ってしまう会話群ばかり。それらをただぶつ切りに垂れ流しているだけで最後の方に思い出したようなオチが待っているだけという、シナリオ重視派にとってはブルシットな作りになっているせいかと思います。
つまりはこのゲームってば、ストーリー性を脇においてまでキャラ萌えのみにピンポイントしてるって事なんですよね。要は気に入ったヒロインがいるかいないかが問題なんですが、これだけいれば数打ちゃ当たる自分好みのヒロインを見つけられるでしょう。

まあストーリー薄いとは思いましたが、十六夜や美緒(猫耳)、知佳あたりのシナリオは面白かったです。なんだか亜人ばかりのような気がしますが、ぼくもついに道を踏み外したって事でしょうか?

ちなみにHシーンですが、ちっとも燃えませんでした。各ヒロインとは最低でも二回から多くて五回程度までHできるんですが、全然CGからフェロモン出てません。汁もなんだかイマイチ。カエルの卵を包んでる半透明の保護膜みたいなヤツありますよね?あんな感じだす。
加えて、テキストも簡潔すぎです。

**は股間に口をつけて軽く愛撫した。
**「んっ・・・はぅっ・・・」
**「そろそろ、いいかい?」

って、早すぎだろお前っ!

「1」の時のほうが濃かったじゃん、Hシーン。「とらハ2」のヒロイン達が集団でよってたかっても、「1」の春原 七瀬(職業:幽霊)一人分のエロにさえ勝っていないというお寒い状況、やはり、「エロ」と「萌え」は相反するものなのでしょうか?

あーなんか愚痴ってばかりだなぁ、俺。このゲーム好きなのに。
やっぱり開発途中のまま発売されたってのが影を残しているんでしょうなぁ。最初はシミュレーションゲームとして開発されていたのを急遽アドベンチャーに変更したらしく、その名残で女の子から家事の依頼をされるイベントが頻繁に起こるんですが、成功しようが失敗しようが攻略にはまるで関係ありません。おいおい、それくらい削っとけよ

バグも酷く、パッチを当ててもバグが取りきれてまへん。ななかちゃんの首から上だけが空中で浮かんでいるという恐ろしいバグがゲームの発売から2年経っても解消されてないってのは・・・韓国の生首ギャルゲーを先取りしたって、なんの自慢にもならないと思いますが。

実際のところ、「完成度・70%」といった所でしょうか。練り込めば名作になる資格十分なのに。
シナリオ?あんなもん飾りです。お偉いさんにはそれがわからんのですよ」とか言ってそうだなぁ、ivoryのスタッフ。

点数:75点(キャラ一流、シナリオ二流、システム三流)

2001・09・29


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